まずはビタミンCについてお話しましょう。

船で何ヶ月も生活していかなければならない大航海時代、ビタミンC欠乏のため壊血病といって船乗りに恐れられていたものです。新鮮な野菜や果実を食べないため、ビタミンC欠乏症になります。
生命維持に欠かせないコラーゲンが作れなくなります。コラーゲンの重要な3本鎖になるためには、ビタミンCが必須で、プロリンからヒドロキシプロリンが作られ、隔の橋渡しができます。これで3本のヒモ状から、3本に橋渡しができ、強と弾力性が生まれます。
そこでビタミンC欠乏では、完全なコラーゲンが作れなくなります。17世紀の大航海時代、壊血病で、死にそうになった船員を島に下ろしたころ、偶然に草をはみ、まもなく病気が治り、血が止まり、命が助かった、という話がありました。その後、オレンジを大量に積んでいくことで壊血病はまもなくなくなっていきます。ビタミンCのことを、アスコルビン酸といいますが、ギリシャ語で、「ア」は否定の接頭語、スコルビンは壊血病であり、壊血病にならないです。む物という意味で命名されたわけです。

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構造式の2番、3番が二重結合となっていて、この部分をエンジオール構造といって、ビタミンCの働きをする部分です。逆の見方をするとビタミンCは非常に不安定で、相手を還元し、酸化されやすいといえます。ピュアなビタミンCを肌に塗るとちょっとした紫外線などの刺激で、皮膚表面で仕事が終わり、Cラジカルとなって、逆に表皮細胞を傷つけることになります。
この2、3位のOHを、NaやMg、又はグルコースで置換すると安定し、しかも、グルコシダーゼという酵素の存在するところで、ビタミンCとして働くようにしたのがビタミン誘導体です。表面で働くことなく、表皮深部で働くという、合理性を得たわけです。

まず水溶性ビタミンCとして、NaやMg、そしてリン酸基をくっつけて、不安定さをカバーしました。
次にステアリン酸やパルミチン酸でブロックすると脂溶性ビタミンCができ、より皮膚の奥深く、すみやかに浸透させるため、水にも油にも親和性のある両新性ビタミンが第2世代のビタミンCです。

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皮膚はラメラ構造といって、水、油、水と、構成されています。細胞の一つとっても、中の細胞質は水の性質、これをとりまく膜は、リン脂質であり油の性質、そして細胞と細胞をくっつけている細胞間隙の、セラミドも、水、油の両親性を有して、細胞間隙を繋いでいるのです。よってビタミンの皮膚への浸 透は、親油、親水性が重要な要素となってきます。本来、油性のビタミンEも、リン酸基をくっつけて、TPNaが生まれました。

これも両親性で、安定性と、深達性をもち得たわけです。

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(※図1)

この時点で、安定で かつ水にも油にも親しむ性質を持つ。
皮膚に存在する酵素エステラーゼ働きでパルミチン酸の枝がとれ

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(※図2)と水性ビタミンCアスコルビン酸-2-リン酸そして皮膚に存在する酵素フォスターゼの働きで

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(※図3)とピュアなビタミンCとなり目的地の細胞内アスコルビン酸や表皮基底層。真皮にまで及びます。

この性質はナノ世界(10億分の1メートル)では、単体ではピコレベル(1000億分の1メートル)の粒子が無限大に糸をひき、この糸(ビタミンC)で渦をまくように高速回転させると、70~200ナノの大きさの粒子を作ります。
つまりトランスポーターとしての役割が画期的なのです。
目的地に到達するにしたがい、40ナノ、20ナノと小さくなっていきます。
そのたびに、若さを作る水溶性の成分が効力を出し、カプセルは、ピュアな形のビタミンCとなって有力な働きをします。